採択事例紹介

ベンダ工業株式会社
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所在地
広島県呉市
主な業種
輸送用機械器具製造業
事業概要
金属リング製造技術「ベンダ工法」による内燃機関車用部品等の設計・製造・販売
設立
1964年
従業員数
145人
認定支援機関
株式会社広島銀行
URL
https://www.benda.co.jp/
製造業 新分野展開 卒業枠

内燃機関(エンジン)車部品からハイブリッド車用部品に進出

当社は、国内外の大手自動車メーカーに対して、独自技術「ベンダ工法」を活かした内燃機関車のエンジン始動用部品「リングギア」の設計・製造・販売をしており、当社調べでは世界トップシェアを確立しています。

自動車の市場はガソリン等のエンジン(内燃機関)車から電動自動車に移行し始めており、今後リングギアの需要減少は確実で、内燃機関向け製品への依存度が高いのが当社の課題となっていました。

そうした中、コロナの影響による自動車メーカー各社の生産調整を受けて工場の稼働が延べ31日ストップする等、売上2割減、40期ぶりの営業赤字となりました。時間的猶予はないと判断し、ハイブリッド車向け部品の分野に進出する決断をしました。

新分野に進出するための設備投資と財務基盤の強化

新たに、ハイブリッド車が搭載する、モーター内蔵型トランスミッションに装着する電動化技術部品を製造します。高度な加工精度が要求される部品において、熱を加えず鋼材を曲げるロスの少ない当社独自の材料加工技術を活用することで、他社製と比べて安定した加工精度と高品質な製品を、短いリードタイムと高い歩留まり率で供給します。

補助事業で量産体制構築のための設備投資を行い、補助事業終了後5年目で新分野の売上比率20.5%を計画しています。

また、市場の変化に合わせて10年後には既存製品以外の比率50%を目指し、それに向けた大規模な設備投資が可能な財務基盤とするために、資本金を5850万円から3億円に増資します。

100年に一度の変革期をチャンスと捉え、果敢にチャレンジ

ヨーロッパの自動車メーカーは全EV化を打ち出していますが、日本メーカーは現状ハイブリッドが主流で、市場の動向は不透明です。一方、東南アジアはまだガソリン車がメインです。こちらへの拡販もしっかり行って収益をあげ、投資できる力をつけながら、新分野への比率を高め、市場の行方を見極めつつも待つことなく、企業の持続的成長のための準備をしていきたいと考えています。

自動車業界は“CASE”“MaaS”に代表される100年に一度とも言われる変革期にあり、加えて米中貿易戦争、そして世界的な感染症という状況下にあります。しかし、これを悲観せずにチャンスととらえ、当社が培ってきた技術を活かして、顧客にどう貢献できるか考えチャレンジして行きます。

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