- 卸売業,小売業
- 業種転換
- 卒業枠
株式会社シスコム


- 所在地
- 福岡県北九州市
- 主な業種
- 情報通信業
- 事業概要
- 港湾コンテナターミナル統合管理システムの開発等
- 設立
- 1988年
- 認定支援機関
- 公益財団法人北九州産業学術推進機構


OFDM無線伝送システムを
小売販売する事業に進出
当社は、無線を利用した港湾コンテナターミナルの搬出入管理システムを開発しており、車輌のETCでコンテナを自動照合する特許を取得しています。しかしコロナによる港湾施設への立入制限等でシステム開発がストップし、会社の存続に関わる深刻な事態となりました。
これまで追求してきた通信技術を活かして、光ファイバーを敷設できない場所でも安定的に大容量データ送信を可能にするOFDM無線伝送システム(無線機+信号変換装置)を考案したのですが、電波法が定める検査施設がないため、すぐに使える状態での納品が不可能で、商品として扱うことができずにいました。
そこで今回、再構築事業を活用して必要な施設・設備等を取得し、無線伝送システムを小売販売する事業に進出する決断をしました。
電波暗室と品質検査の設備を
導入して小売販売を可能に
OFDM無線伝送システムを小売販売するために必要な、電波暗室と品質検査の設備を有する「シスコムハウス」を建設します。ここで無線機の電波発射試験から組立、各種検査、総務省への電波開局申請、ユーザーへの電波調整トレーニングまでを一括して行います。
無線機は、他社製にはない信号送受信の性能を持つ、日本未発売の米国製上位機種を採用します。これを取り扱う日本単独代理店の企業から事業譲渡を受けて、国内における独占的な展開を可能とします。なお事業譲渡に際し、当社は資本金の増資を行っています。
補助事業で建物・設備への投資を行い、補助事業終了後5年目で新規事業の売上比率59.9%を計画しています。
中小企業を卒業して地域振興や生活を支えるインフラ構築に貢献
本事業は、OFDM信号を送信するケーブルテレビ事業者を主に対象としていますが、光ファイバーの敷設が困難あるいは設備の採算が取れない"ラストマイル"地域や、被災地における仮設通信、また直下型地震等で地下の光ファイバー網が寸断された際のバックアップなど、地域振興や生活を支えるインフラとして活用が可能です。
過去に無線機のデモを行った際、通信技術の高さに驚かれる一方で、企業規模に難を示されることや、資金が不足していたため、事業化に至らなかったことがあります。このような経験から、今回の卒業枠を活用して中小企業を卒業し、会社を大きくすることで、社会の課題解決や人々の生活を支えるインフラ構築に貢献できる存在になることを目指して行きます。