採択事例紹介

株式会社日本技商
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所在地
大阪府大阪市
主な業種
生産用機械器具製造業
事業概要
金属/セラミック加工・溶射加工・研磨加工
設立
2012年
従業員数
27人
認定支援機関
株式会社京都銀行
URL
http://japangisyou.com/
製造業 新分野展開 グリーン成長枠

最先端の半導体製造装置部品を開発・製造する分野に進出

当社は、金属やセラミックの溶射・研磨加工等を行う表面処理加工業者で、液晶や半導体の開発・製造用部品を大手精密機械メーカーに供給しています。高度なセラミック溶射技術と「平面研削/切削加工/溶射」の一貫した製造工程を持つのが強みです。

液晶製造装置に対するメーカーの投資が減少する一方で、半導体は省エネ化・高性能化が求められており需要の拡大が見込めるため、高度な性能要求に対応できる半導体製造用部品の開発を検討していました。その中で、当社が持つセラミック溶射・研削加工技術と、パートナー企業が持つ設計・製造ノウハウを複合させることで、これまでにない新たな技術的価値を付加した半導体製造用部品の製造方法を開発しました。

これは、事業再構築補助金「グリーン成長枠」成長戦略14分野「⑥半導体・情報通信産業」の課題である次世代省エネ・高機能半導体の開発・量産化に貢献できることから、補助事業を活用して最先端の半導体製造装置部品を製造する分野に進出する決断をしました。

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大幅な性能向上を実現する「セラミック焼結系高性能静電チャック」を製造

半導体製造装置用の中核部品「セラミック焼結系高性能静電チャック」を製造します。これは半導体の基板材料・シリコンウェーハを加工する際に製造装置に静電気で安定的に保持する部品で、耐熱性/耐摩耗性/化学安定性に優れたセラミックと、MMC(金属基複合材料)という難加工の新素材を精密に加工し、脆弱部を露出させない特殊な方法で結合します。液晶製造部品の静電チャック製造等で培った当社の焼結・溶射技術と高精度の研削加工技術を活用し、新たな加工設備と検査機等を導入することで製品化・量産化を実現します。

本製品は、従来品に比べて使用温度や熱膨張率、耐久時間において大幅な性能向上を実現するものです。今まで成し得なかった条件下での加工製造を可能にすることで、最先端半導体装置の開発に寄与すると共に、部品交換の頻度低下に伴うコスト低減と稼働率向上に貢献します。

補助事業で設備等への投資を行い、補助事業終了後5年で新規事業の売上比率82.8%、平均付加価値額100.0%増を計画しています。

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世界初の静電チャック完成品メーカーとして、次世代の半導体製造部品を日本から世界に発信

現在、半導体製造に使用する交換部品としての静電チャックは不足しているものの、一貫して製造できるメーカーはありません。そのため、世界初の静電チャック完成品メーカーとして、世界の半導体デバイスメーカーへの展開が可能です。すでに大手半導体デバイスメーカーより製造の要望を受けており、製品の供給のみならず張替え・再生等のメンテナンスサービスも手掛けていく計画です。これまで使われていない新素材を使った、半導体の高性能化と生産性向上に貢献する今回の製品開発・量産化によって、次世代静電チャックを日本から発信していきます。

それには品質保証と人材育成が課題となりますが、今回導入する検査機とクリーンブース等の新設、ISOの取得、当社が持つネットワークの専門家からの技術指導・マニュアル化等で解消します。また、事業の拡大に向けて優秀な人材が集まるように、加工業者から製品メーカーに脱却し、企業組織として成長していきたいと考えています。

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