採択事例紹介


- 所在地
- 愛知県一宮市
- 主な業種
- 染色整理業
- 事業概要
- 尾州糸染、各種繊維素材への染色および機能性の付与
- 設立
- 1916年
- 従業員数
- 75人
- 認定支援機関
- 尾西信用金庫
- URL
- https://chakyu.co.jp/
糸を扱う技術を活かして手術時の遺残事故を防ぐRFIDタグを製造
当社は、100年前より糸の染色を手がけています。染めにくい素材への染色技術に高い評価をいただき、抗菌消臭、涼感温感、吸水撥水、難燃加工等の機能付与も行っています。
国内の繊維業界は、海外生産品であるファストファッションの台頭により厳しい状況が続き、加えてコロナの影響から外出自粛や購買意欲の減退で、アパレル市場全体が縮小しています。
このような状況を受けて、マスクやガーゼ等、医療分野への参入を検討していたところ、手術時のガーゼ遺残事故防止のために使用する電子タグが普及せず、事故が起こり続けていることを知りました。ここに当社の糸を扱う技術力を活かせると考え、手術用ガーゼ向けRFIDタグの製造に進出する決断をしました。
アンテナ付ICチップを糸状に加工して繊維に近い品質を実現
アンテナ付ICチップを糸状に加工したRFIDタグを開発し、手術用ガーゼとして提供します。
繊維に近い品質にすることで、これまでのRFIDタグ付きガーゼの課題であった、肌触りの硬さや扱いにくさを解消しました。単価も従来品の半分以下での提供を実現します。
現在、RFIDタグ付きガーゼの普及率は国内では4%にとどまっていますが、大手衛生材料メーカーの協力を得て、多くの医療機関が活用している手術用キットに本製品を組み込むことで、普及率の向上に貢献します。
補助事業で加工/量産設備への投資を行い、補助事業終了後5年目で新規事業の売上比率10.8%を計画しています。
繊維産業の可能性を広げ、地域に元気が出るきっかけに
コロナで医療現場の負担が増えている中で、ガーゼの確認・カウントといった作業負荷は相当なものがあります。この事業で、医療事故の削減はもちろん、医療現場の皆さんの負担軽減に貢献したいと考えています。
また、医療以外でも、商品の在庫管理やセルフレジをはじめ、入退出管理や入退場数のカウントといった人流把握、タイムの計測、介護の徘徊防止など、様々な分野での活用方法を追求していきます。
糸は、使い方しだいでまだまだ可能性があります。今回の挑戦を通じて、糸の産地である尾州における繊維産業の可能性を広げ、地域に元気が出るきっかけになればと思っています。