採択事例紹介

丹後織物工業組合
main
所在地
京都府京丹後市
主な業種
繊維工業・染色整理業
事業概要
和装用白生地(丹後ちりめん)等の精練・染色・整理加工・品質管理・検査等
設立
1921年
従業員数
61人
認定支援機関
京都府商工会連合会
URL
https://tanko.or.jp/
製造業 新分野展開 通常枠

和装用から、安全・健康志向に対応した高付加価値加工へ

当組合は、1300年続く丹後織物産地において、"丹後ちりめん"をはじめとする和装用白生地の精練・染色等の各種加工を行っています。648軒の組合員数と、国内最大かつ最高技術の共同加工施設を有し、全国の絹織物生産量の6割強を生産しています。

和装の需要は長年にわたって減少し続け、白生地の生産量はピーク時の1割を切り、さらにコロナ禍では工場を休む日をつくらざるを得ない状況になりました。

一方で、マスクの抗菌・抗ウイルス加工の受注が増加する等、安全・健康志向に対応した繊維製品への加工ニーズの高まりを受けて、絹織物の高付加価値加工による新分野への展開を決断しました。

絹織物(シルク)に抗菌・抗ウイルス・撥水加工をする設備を導入

肌触りがよく人の肌と親和性の高い絹織物(シルク)に、抗菌・抗ウイルス・撥水といった付加価値をつける加工設備を導入します。綿素材への加工は各社も行っていますが、絹織物への実用化は他にはない技術です。これによって、洋装等のアパレルはもちろん、スポーツウェア、インテリア素材、寝具類、医療・福祉用品等へ進出し、さらには他素材への技術転用や産業資材など新たな市場を開拓していきます。

また、余熱を活用した省エネ設備の導入や業務改善によって、加工場の効率化とコスト削減、品質向上を進め、競争力を高めます。

補助事業で設備導入のための投資を行い、補助事業終了後5年目で新規事業の売上比率11.1%を計画しています

丹後産地の発展だけでなく日本の伝統文化を守り未来につなげる

これまでは問屋から注文を受けるだけでしたが、和装市場の縮小に対する危機感から外部の企業と交流してみると多様なニーズがあることがわかり、優れた技術があっても、既存設備のままではオーダーに応えづらいということに気づきました。

今回の計画で様々な分野からの要望に応えられる設備を整え、また積極的に外部との交流を持つことで、新商品・新分野の可能性を広げ、絹織物産業振興の牽引役を果たしたいと考えています。

当組合は、京都をはじめとする国内各地の精練工程を担っており、生産地の生活基盤と共に、職人の技術や設備の維持を支えています。今回の新分野へのチャレンジを通じて、丹後産地の発展だけでなく、和装や絹織物といった日本の伝統文化を守り、未来につなげていきます

ページ上部へ