採択事例紹介
- 所在地
- 岐阜県中津川市
- 主な業種
- プラスチック製品製造業
- 事業概要
- 成形機の設計製造・金型製作・発泡樹脂製品の製造
- 設立
- 1948年
- 従業員数
- 72人
- 認定支援機関
- 十六銀行南中津川支店
- URL
- https://www.daisen-inc.co.jp/
高機能発泡樹脂材料を用いた電動自動車バッテリーケースの製造、量産化へと新分野展開することを決断
当社は、成形加工と金型の設計・製作の技術を強みに、発泡樹脂成形品の成形機や金型の設計・製造および発泡樹脂製品を生産し、食品容器や梱包資材、建築材料、家電や自動車メーカー等に販売しています。しかし食品容器や新築住宅戸数の減少、またプラスチック使用量削減などの影響で需要が縮小し続け、新たな市場の開拓と事業の柱の構築が課題となっています。
現在電動自動車のバッテリーケースに使用されているスチールは、重量と電池安定性に課題があり、また漏電や発火事故の要因になっています。
今回、事業再構築補助金「グリーン成長枠」の存在を知り、当社の取り組みは「成長戦略14分野⑤自動車・蓄電池産業」に該当することから、これを活用して蓄電池部品の製造に新分野展開する決断をしました。
成形加工・金型設計ノウハウを活かして難燃・軽量・高強度の材料を製品化・量産し、成形設備も製造販売
電気自動車向けバッテリーケースの製造・量産化に向けた成形機等を設計・導入します。バッテリーは円筒型やパウチなど形状が様々なため、高精密の金型、機械による制御といった特殊な設備と技術が要求されます。多様な高機能発泡製品を各々の原料に合わせて製造してきた当社の成形加工・金型設計ノウハウを活かして、上記の要求を満たす量産化技術を実用化し、製品を供給します。これに加えて、専用成形機と付帯設備を他の加工メーカーに製造・販売し、メンテナンスサービスを展開します。
また、成形機器から得たデータをIoTプラットフォームに集約・分析し、作業の制御と精度向上につなげるスマートファクトリー化を進めることで、作業の省力化と人員の適正配置を行い、付加価値を伸長させます。
補助事業で設備等への投資を行い、補助事業終了後5年で新規事業の売上比率16%、平均付加価値額15.2%増を計画しています。
電気自動車バッテリー向け部材の市場を開拓し、発泡樹脂業界を牽引する
電気自動車の市場は大きく伸長しており、今後ますます拡大することが予想されていますが、電気自動車バッテリー向け部材の市場は未開拓の状況です。従来のバッテリーカバーの課題を解消し、電気自動車の軽量化と走行距離の伸長、安全性を向上させる当社の事業は、電気自動車バッテリー市場の拡大・発展に貢献し得るものです。
これまで手がけてきた発泡樹脂業界は、製造拠点が国内から海外に流出し、またコロナ禍で物流の動きが鈍化する中で、産業全体が縮小し、在来品の製造だけでは事業の存続が難しくなっています。この状況を自社だけで解決するのは正直困難でした。しかし今回、材料に適した加工技術を当社が確立することで、組立メーカーのニーズと一致した、電気自動車バッテリー向け部材という「グリーン成長枠」の対象となる新たな顧客の開拓につなげることができました。この事業を成功させることで、発泡樹脂業界全体を牽引していきたいと考えています。
